「傷跡」と「傷痕」の違いと傷あとを残さないポイント
改定常用漢字表に多くの漢字が追加され、同訓異字の漢字が増えました。
「きずあと」もそのひとつで、「傷跡」と「傷痕」の使い分けが必要となりました。
ここでは、「傷跡」と「傷痕」の違いや使い分け方の例と一緒に、傷あとを残さないためのポイントをご紹介します。
「傷跡」と「傷痕」の違い
同じ「きずあと」と読む「傷跡」と「傷痕」。
それぞれの漢字の意味とどのようなシーンで「傷跡」もしくは「傷痕」と表記するのでしょうか。NHKの表記を参考にいていきましょう。
「跡」と「痕」の使い分け
- 跡:城跡や足跡など、「存在していたことのしるし」という一般的な意味のときに使用
- 痕:手術や傷のあと、弾丸のあと(弾痕)など、限定的な用語のときに使用
「跡」も「痕」も、「存在していたことのしるし」という意味があります。
常用漢字としては、これまで「跡」しかなかったため、「傷あと」は「傷跡」として表記されていましたが、「痕」という漢字が常用漢字に採用されてからは「傷痕」と表記するようになっています。
ただ、公的機関や報道機関で統一されているだけで、辞書では「傷あと」の意味のところに「傷跡・傷痕」の両方が表記されているケースがほとんどです。
そのため、「傷跡」が間違いというわけではないようです。
傷跡を残さないポイント
手術やケガによる傷痕を残さないためには、日ごろの心がけが大切となります。
傷の回復を邪魔しないためにも、やってはいけないポイントをおさえておきましょう。
- 傷口をかかない
- 傷口を触らない
- 激しい動きは避ける
- 自分の判断で消毒をやめたり、ガーゼを外したりしない
手術やケガによる傷は、状態によりますが回復までに約6ヶ月~1年かかるといわれています。
長期間にわたりますが、傷を刺激してしまうと傷の治りが悪くなり、傷痕として残ってしまう可能性があるため、傷の治りを妨げないよう心がけましょう。
傷痕ができたときの対処法
目立つ傷痕を治療によって目立たなくできる可能性はあります。
治療方法としては、切開法やハクサク法で別の傷に置き換える方法やレーザーによって傷を目立たなくさせる方法です。
深い傷ほど完全に消すことは難しいですが、少しでも傷痕を目立たなくさせたいのであれば、お近くの形成外科クリニックで相談してみてくださいね。